2017年10月28日土曜日

痴漢行為で出場停止になったHyugaの復帰騒動について

こんにちは。
Twitterで文字をまとめきれなくなって、知識も文章力もないくせにブログ作成に手を出してみたNoradです。

10月は海外スマブラ関連のニュースが多くありました。

スマ4王者のZeRoが受けていたハラスメントが明らかになったり、SwitchがGCコンに対応(?)したことでスマブラの新作が噂されたり、されなかったり……。

今回はTwitterでリクエストをいただいたので、Hyuga(ヒューガ)というプレイヤーをめぐって起きている一連の騒動についてご紹介します。
(リクエストしていただいた方には大変遅くなったことへのお詫びを。すみませんでした)

昨年起きたHyugaの痴漢騒動をご存じの方もいるかもしれませんが、念のためEVO2016の出来事も含めて説明していきます。

(「スマ4なんか興味ねえ!DXはどこだ!?」という方は、ページ中部の「おまけ」まで飛ばしてください)

Hyugaって誰?
Hyugaはメキシコ人のスマ4プレイヤーで、スマブラX時代からトゥーンリンク使いとして活躍していました。
母国メキシコのランキングではMKLeoに次いで2位に入るほどの実力を持っています。

(写真:http://nerdtec.net/wp-content/uploads/2016/07/Hyuga.png)

世界規模で見ても中堅プレイヤーとして活躍し、VGBootCampというスポンサーも得ていたHyugaですが、EVO2016を境目に彼に対するスマブラ界の評価は180度変わることになりました。

EVO2016 における痴漢騒動
EVO2016が開催中の7月16日。ある女性プレイヤーがHyugaに痴漢行為をされたことをTwitLongerで明らかにしました。

被害女性の語る「痴漢行為」の内容

・酒に酔ってふらふらしていたHyugaを見かねたDJ Jackというプレイヤーが、彼のガールフレンド(被害者)を含む数人のプレイヤーが滞在しているホテルの部屋にHyugaを連れてきた。
・被害者の女性はボーイフレンドのDJ Jackと同じベッドで寝ていたが、ふと目が覚めると、彼女とボーイフレンドとの間にHyugaがいて、服・下着の中に手を入れてきた。
・被害者はスペイン語を少し話せたため、スペイン語でHyugaに離れるように何度も大きな声で言ったが、Hyugaは泥酔していて聞く様子がなかった。
・声に気づいたStefanというプレイヤーが、被害女性に自分のベッドで寝るように言ってくれたので移動するが、Hyugaは15分ぐらい後にまた同じことをしようとしてきた。
・最終的にはNick Riddleというプレイヤーが騒ぎに気づいて目が覚め、Hyugaを部屋から追い出した。

Hyugaの痴漢行為はすぐにコミュニティの間で話題になりました。

契約したばかりのスポンサーであるVGBootCampに契約を解除されたほか、アメリカの大会主催者たちによってアメリカの大会への1年間の出場停止処分を受けることになりました。

この1年間という期間が短すぎると訴えるプレイヤーも多かったようですが、結果的には1年間の出場停止というのが大会主催者たちの間でのルールになりました。(ちなみにオーストラリアとブラジルの大会への出場も、それぞれの国の主催者たちから禁止されました)

Hyugaはこの痴漢騒動について、TwitLongerで「酔っていて覚えていないが、もし真実なら謝罪する」と答えています。容疑を完全に認めたわけではありませんでしたが、こうなったのは泥酔してしまった自分の責任であるとして、処分内容を受け入れ、スマブラ界からの引退を宣言しました。

その数日後の7月21日に、Hyugaは被害女性と連絡を取り和解したことをTwitLongerで報告。Hyugaは自分の酒癖の悪さを直し、もう二度とこのようなことがないようにすると宣言し、いつかスマブラに復帰したいと述べていました。

Hyugaの復帰に対するアメリカの反応
EVO2016以降、しばらくスマブラ界に姿を見せなかったHyugaでしたが、2017年1月からは出場停止処分を受けていない母国メキシコで再び活躍するようになりました。

メキシコの強豪プレイヤーが多い大会でも優勝するなど、処分期間中も練習は怠っていませんでした。

そして、2017年のEVO2017の終了をもってHyugaの1年間の出場停止処分が終わりました。
その後すぐにアメリカの大会に参加はしなかったHyugaですが、アメリカの大会への参加に意欲的な姿勢を見せていました。

ところが2017年10月、アメリカの大きな大会であるMKLeo Sagaのメキシコ代表候補としてHyugaの名前があがったことで、Hyugaの復帰に反対する声が上がりました。

Hyugaの復帰に対して、肯定派と否定派でコミュニティの意見が真っ二つに分かれ、TwitterやRedditなどで激しい議論が巻き起こりました。

それを受けMKLeo Sagaの開催元の2GGは、「安全なプレイ環境を提供していく上で、Hyugaが1年前にしたことは受け入れがたい」として、2GGの主催する大会へのHyugaの出場停止はまだ続いていると声明を出しました。(2017年10月22日)

MKLeo Sagaの件で騒がれるより以前、アメリカの大会へ参加する意欲があったHyugaは、別のアメリカの大会であるClutch City Clash 2 (アメリカ時間の10/28~29開催)の主催団体、Smash Unitedに事前に参加してもよいかと確認を取り、許可を得てから登録していました。

ところが大会直前の10月24日になって、コミュニティの反応とプレイヤーの安全を理由に、Smash Unitedから参加を拒否されてしまいます。それどころか今後のSmash United関連のイベントへの無期限の出場停止処分を言い渡されます。

直前の出来事だったため、Hyugaの払った飛行機代やホテル代の返金は認められないと予想されますが、そのことに対してSmash Unitedは「対処(remedy)する」とツイートしています。詳細は不明ですが、返金すると明記していないのがまた議論の種になっています。。

Hyugaはこの一連の騒動について「主催者の判断を尊重する」とのツイートを残していますが、スマブラの海外コミュニティの間では出場停止の是非をめぐって議論が起こっています。

「Hyugaのしたことは許されないことなのか」「一度過ちを犯したら一生更生の機会はないのか」「どうしたら許されるのか」といったことについて、海外のスマブラコミュニティの間では意見が割れています。

海外掲示板Redditの反応まとめ
(信憑性のない情報もあるので、あまり鵜呑みにしないでください)

(Hyugaがアメリカの大会に参加することに)賛成派の意見

・出場停止は1年間と決まっていたのだから、それを変えるのはフェアじゃない

・被害者との間で解決しているのなら問題ないのでは?

・Hyugaは酒癖が悪いみたいだが、こういう問題を起こしたのは後にも先にもこれだけだ

・酒が入っていたというのは言い訳にはならないが、Hyugaに悪意はなかったはず。被害女性もそれが分かっているから許したのでは

・Keitaroが言うにはMKLeoと同じように、賞金を家族のために使っているらしい。大会に行けないことは死活問題なのでは

Hyugaはこれ以上何をすればいいんだ。繰り返し謝罪して、反省して、処罰をしっかりと受けているのだから許すべきでは?

・スポンサーを失ったのもイメージが最悪なのも当然だが、反省したことを示す機会を与えるべきだ

・一度きりの失敗で人生がダメになってしまうというのは、すごく腹が立つ。誰にだって更生の機会は与えられるべきだ

反対派の意見

・1年間の出場停止というのは大会主催者たちの間での「提案」であって、そうでなければならないという「ルール」ではない

・もともと1年間という処分期間に異を唱える人は多かった

・訴訟を起こされなかっただけラッキーでは?

・酒に酔っていたとはいえ、そういうことをする人を(特に女性は)信用できないだろう

・会社が性犯罪者をクビにするのと同じだ。コミュニティ全体に影響が及ぶ

こういう人物が表舞台に立つことを許してしまえば、外部のメディアにスマブラ界と性的暴行を結び付けられかねない

その他・中立派の意見

・Hyugaを許すか許さないかは個々人の自由で、「許すべき」ことではない

・1年間という期間は短すぎる。もっと長い出場停止が妥当だろう

直前の参加拒否はあまりにもひどすぎる。大会側は最初から参加を許すべきではなかった

・テキサス(Clutch City Clash 2の開催地)の女性プレイヤーの多くは最初から抗議していたが、大きな騒動になるまで無視されていた。大会運営側が本当にプレイヤーの安全を気にしているとは思えない

・Hyugaは大会側が我々は女性を尊重しています!」と言うためのスケープゴートにされたんだ。プロが全員ボイコットでもしない限り、この決定が覆ることはないだろう

・Hyugaが処分を受けたのは彼が有名なプレイヤーだからであって、無名プレイヤーの中には(殺害予告などの)悪いことをしても処分なしのやつは多い

・(DXプレイヤーの) MafiaやDaShizWizは許されてHyugaはダメなのはなぜだ?Hyugaにとってあまりにも不公平だろう(この後詳しく書きます)


おまけ:海外DXプレイヤーの事例
スマブラDXのスウェーデン人トッププレイヤー・LeffenがSmashboardsや大会などでの発言が原因で、2013年頃にヨーロッパの大会で出場停止処分をくらっていた時期があることはご存知の方も多いと思いますが(Evidence.zipの件)、歴史の長いスマブラDX界では問題を起こしたプレイヤーも多く存在します。

Hyugaの1年間の出場停止の妥当性の判断材料として、ここでは海外DX界で出場停止処分を受けたことのあるプレイヤーと、出場停止処分を受けかねないことをしたプレイヤーの一部をご紹介します。

暴力行為と差別的発言 ~Ryan Ford (Unknown522) とInuiの事例~
Ryan Fordという名前を聞いたことがある方も多いかもしませんが、彼はカナダのスマブラDXプレイヤーで、以前はUnknown522というニックネームを使っていた時期もあります。

Ryan Fordがカナダ国内で1年間の出場停止処分を受けたのはちょうどその時期 (2013年11月) のことで、以前から大会などでの暴力的なふるまいが目立っていたのが主な原因ですが、以下がその詳細です。

同じカナダ人プレイヤーのKirbyKazeとは緊密な関係(2人はゲイ)にありましたが、RyanはKirbyKazeに4年間で5回ほど首を絞める、床に押し倒して殴るなどの暴行を加えていたといいます。

KirbyKazeはその証拠となる傷跡などの写真を(心配した家族に言われて)撮っていて、Ryanをいつでも警察に突き出すことができましたが、本人に事態の重大さをきちんと認識して反省してほしいという思いから、2人の関係とDVの実態をSmashboardsでカミングアウトしました。

さらにApex 2013では、アメリカ人スマブラーのInuiというプレイヤーの人種差別的な暴言に対して激昂してヘッドロックをかけたため、Apexシリーズへの無期限の参加禁止を言い渡されています。

そんなRyan Fordですが、2015年3月に出場停止が解除されます。

Ryanのスマブラ界への復帰は概ね好意的に受け止められていて、出場停止期間中も練習を怠らなかったこともあり、2016年にはEarthRoot Gamingとの契約を結んでスポンサーを獲得。EVO 2017では17位にランクインするほど実力をつけています。

ちなみにApex 2013で揉めた相手のInuiというプレイヤーに対するApex側からの処分内容は不明でしたが、その後も不適切な発言を続けたため2016年にウィスコンシン州の大会への出場停止を言い渡されています。

隣接するミネソタ州とアイオワ州の大会に出るようになったInuiですが、大会中に薬物の所持・売買についての自慢話をしていたそうです。

それがきっかけになったかは定かではありませんが、Inuiは実際に薬物所持などの容疑で逮捕されてしまいます。

翌年には日本刀で人を切りつけ、軽い怪我を負わせる事件を起こしたため、再び逮捕されることになったそうです。もちろん今でもウィスコンシン州における大会出場停止は有効です。

Ryan Ford・Inuiの事例

・Ryan Fordがカナダの大会で約1年間の出場停止。Apexには無期限の出場停止
・↑の理由はKirbyKaze、Inuiなどのプレイヤーへの暴力行為
・Ryan Fordは現在スポンサーと契約を結び、中堅プレイヤーとして活躍している
・Inuiは傷害などの容疑で逮捕された

前科持ちのファルコ使い ~DaShizWizの事例~
それなりに長くスマブラDXをやっている方なら、DaShizWiz(Shiz)という名前を聞いたことがあるかと思います。

Shizはファルコ使いのベテランで、名前に聞き覚えのない方でも、Shizのファルコを見たことがあるかもしれません。(ヨッシーストーリーでMew2Kingのマルスに逆転されて負ける映像とか)

PPMDやMang0のファルコを差し置いて、ブラスターの使い方が一番上手いと言われることも多いDaShizWizですが、EVO2013を最後に大会から姿を消している時期がありました。

この理由については詳しくは分かっていませんが、Shiz本人はインタビューで「悪い連中とつるんでいて、逮捕されることもあった」と語っています。事実として、Shizは2011年から2016年にかけて、窃盗や暴行などで何度も逮捕されています。

その一例として、2012年にはルームメイトの女性にミュージックビデオを作る金を要求したところ断られて口論になり、骨折などの重傷を負わせたとして逮捕されています。(下はそのときのニュースの報道)



この件には最終的に無罪判決が出ており、Shiz本人もやっていないことだと否定しています。

そんなDaShizWizですが、2015年にスマブラDXへの復帰を表明。復帰後最初の大会でまずまずの成果を出し、Versus Gaming Centerというチームに参加したShizのキャリアは順調に見えました。

ところが2015年、Leffenとの間でちょっとした騒動が起きました。

友人のLambchopsをLeffenに負かされたShizは、「Leffenをぶっ倒す」と挑発的な発言をし、マネーマッチを申し込みました。

しかしLeffenはそれに対し「5-0で勝利してあげたいところだけど、刺されたくないからやらない」とShizの過去を引き合いに出して断りました。

Leffenの発言は人種差別的だと批判されましたが、Leffenは逮捕歴のあるDaShizWizが出場停止になっていないのはおかしいと主張。過去に出場停止をくらっていたLeffenからしたら、Shizがなんの処分も受けていないことが納得できなかったのかもしれません。

Shizはそれに対して自分が人を刺したことがないことを主張し、「Leffenは俺のファルコにびびってる」と煽りますが、結局2人の間でマネーマッチが行われることはありませんでした。

スマブラ界に復帰し始めたDaShizWizですが、2016年に再び問題を起こしてしまいます。

ガソリンスタンドで店員を殴り、ナイフで脅した疑いで再び逮捕されてしまいます。Shizは殴ったことは認めていますが、脅したことについては否認しています。

2017年にShizが本格的にスマブラ界への復帰を始めると、カリフォルニアのプレイヤーであるMike Haze、HugSなどはDaShizWizのしたことを許されない行為だとして、厳しく批判します。

HugSは、EVO2013の期間中にShizとHugSが当時付き合っていたガールフレンドのMimi Legendとの間に起こったトラブルをあげ、Shizが危険人物だと訴えました。

Shizはそれらの批判に対し、自分が更生して変わったことを主張

1年間の保護観察処分期間中に、複数回に渡って薬物検査やアンガーマネージメント(怒りのコントロール)の講義を受けており、自分が過去にしたことを恥じて反省しているといいます。

Shizによれば、HugSとMimiの件についても、2人のでっち上げが多分に含まれているとのことですが、HugSはこのことに対して「怒りのせいで記憶が抜けている」と指摘しています。

これまでに出場停止処分を受けたことがないDaShizWizですが、Shizを擁護する声として、「法的に正当な処罰を受けたうえで戻ってきているから許せる」「Shizは他のスマブラプレイヤーに危害を加えたことがない」というものをよく聞きます。

様々な問題を起こして批判も多いDaShizWizですが、彼を応援するファンも多く、復帰後に新たなスポンサーを獲得するなど、スマブラーとしての実力は本物です。

Shizが今後ますます実力をつけて成長していく上で、彼に対する批判もますます厳しくなると予想されますが、彼の行く末はどのようなものになるでしょうか。

DaShizWizの事例

・DaShizWizは暴行・窃盗などで複数の逮捕歴があり、そのうちの何回かで有罪判決を受けている
出場停止処分を受けたことはないが、EVO2013からの2年間はほとんど姿を見せなかった
・本人曰く「恥ずべきことをして反省しているが、俺は更生した」
・現在もShizの出場には賛否両論あるが、ファルコ使いの強豪プレイヤーとして活躍

浮気の多い元ガールフレンドに性的暴行(未遂?)~Mafiaの事例~
Mafiaというプレイヤーは日本だとあまり有名ではないように感じますが、マサチューセッツ州のピーチ使いで、最新のSSBMランク(2017年夏)では46位に入っています。前回のSummitに招待されて話題になったプレイヤーでもあります。

プレイヤーとして成長を続けるMafiaですが、2017年7月にMafiaの元ガールフレンドによって投稿されたTwitLongerで、あることが明かされます。

当時付き合っていたガールフレンドに対し、Mafiaが「性的暴行」に及んだというのです。

Mafia本人も自身のTwitLongerでこのことを認めていますが、そういうことをした背景として次のように説明しています。

元ガールフレンドはMafiaの友人と頻繁に寝ていて、レイプされたと嘘の言い訳もされたことがあったといいます。

2016年12月15日、その浮気の様子を想像してカッとなってしまったMafiaは、彼女の腕を後ろから掴み、腰を押し付けたといいます。お互い服を着ている状態で、性的な部位には触っていないと言っています。

5秒ほど経った後、自分の間違いに気づいたMafiaはすぐに謝り、2人の関係はこの出来事の後も数ヶ月続き、別れた後も良好な関係だったそうです

ところが元ガールフレンドがこの出来事を明らかにする少し前に、MafiaはSNSなどでブロックされてあらゆる連絡手段を絶たれたと言っています。

Mafiaは自分がしたことは間違っていたが「性的暴行」にはあたらないと主張しており、元ガールフレンドは、自分のイメージを悪くするために話を誇張して都合のいい部分だけを取り上げていると反論しています。

さらにMafiaは出場停止処分を受けるのを恐れており、ShizやRyan Fordのようなプレイヤーが許されるのなら、自分が出場停止になるのはおかしいと主張しています。

Mafiaの事例

・当時付き合っていたガールフレンドに「性的暴行(未遂?)」
・Mafiaは自分がしたことは性的暴行ではないと主張
・元ガールフレンドが頻繁に不倫をしていたのが理由のひとつ

最強のピチュー使い!? 改造スマブラの恐怖!
こちらはトッププレイヤーの話ではなく、2016年にアメリカの北東オハイオ地区・ピッツバーグ地区の大会に現れた、とある無名のプレイヤーの事例です。

無名のプレイヤーであるにも関わらず、スマブラDX界に大きな衝撃を与えた事件です。

2016年、地区大会の強豪プレイヤーたちを最弱クラスのキャラ・ピチューで薙ぎ倒していく新参プレイヤーが現れます。

そのプレイヤーはなぜか自分の持ってきたWiiでのみ試合を行い、必ず4番のポートでピチューを使っていたといいます。優勝することはありませんでしたが、ピチューらしからぬ強さで賞金を稼いでいき、地区外から注目されるようになりました。

2016年6月下旬の大会が終わった後、その様子が動画としてアップロードされました。

ピチューにしては攻撃判定が少し大きい気がするし、シークの投げ連が入る様子もありません。ですがピチュー戦についての知識があるプレイヤーは少なく、長年DXをやってきたプレイヤーたちも、負けたことに納得はしませんでしたが、疑問に持つものは少数でした。

ところが2016年7月2日の朝、同地区の大会主催者たちに衝撃的なニュースが入ります。

ピチューの強さに疑問を持ったピッツバーグ地区の大会主催者たちが、そのプレイヤーの持ってきたWiiを使ってテストを行ったところ、恐るべき事実が明らかになりました。

そのWiiでは、4番のポートを使用した場合のみ、ピチューが大幅に強化されていることが分かったというのです。

強化内容は主なものだけでも、

空上の攻撃判定が3倍(判定発生中無敵)
下強の判定が1.5倍&ベースノックバックの増加
前スマッシュが24%のダメージを与え約35%でKO可能
上投げの硬直が2倍シークと同程度の重さ空中技の着地硬直が全て3フレーム

と、凶悪な強さのキャラクターに。

(分かりやすいところだと10:14の下強が強化されています)


検証したところ、このプレイヤーは自分のWiiで改造されたISO(ROMのデータ)を使用していたというのです。

この事件を起こしたピチュー使いは、2年間の地区大会出場禁止と稼いだ賞金の返金を言い渡されたようです。

この事件がスマブラ界に与えた影響


冗談みたいな話ですが、この事件がスマブラ界、特にスマブラのMOD開発者たちに与えた影響はかなり大きかったようです。

20XXTEやUniversal Controller Fix(通称UCF)の開発者であるDan Salvato氏は、「いつか起こることだと思っていた。大会主催者やプレイヤーの間で、MODの使用への抵抗感が生じるのが懸念される」YouTubeの動画でコメントしています。

同氏曰く、このようなチートは具体的には以下の手段での導入が可能であるそうです。

・改造済みのゲームデータをISOファイルとしてUSB Loaderで読み込む方法
・改造済みのゲームデータをバックアップディスクに焼いて読み込む方法
・未改造のISOをUSB Loaderで読み込み、チートコードを使う方法
・未改造のゲームディスクにGecko OSでチートコードを読み込ませる方法
・未改造のゲームディスクに改造済みのゲームキューブを使ってチートコードを読み込ませる方法
・未改造のゲームディスクで、プロアクションリプレイを使ってチートコードを使用する方法
・改造していないゲームディスクで、改造されたメモリーカードを使ってチートコードを読み込む方法

Dan Salvato氏によれば、こういったことがまた起こる可能性は低いといいます。
というのも、スマブラDXのMODは一般化したものの、こういった改造をするための専門的なノウハウを持っている人は少ないからです。

しかし、こういったチートを開発することは難しくても、それを導入すること自体は少し知識があればできることです。

Salvato氏が危惧しているのは、このようなチートが販売されて多くの人が入手しやすくなることだといいます。

現状でこういった不正を防ぐ唯一で確実な方法は、プレイに必要なゲーム機などの機材一式の持ち込みを禁止することだそうですが、一部の大きな大会を除きDXの大会はほとんど参加者の機材を使用しているため、それは実質不可能です。

20XXTEなどのメモリーカードMODを使用すれば、メモリーカードを使用する方法は防げますが、それ以外の方法は防ぐことができません。

Dan Salvato氏は20XXTEにゲームデータの整合性を確認するコードを導入する予定のようですが、残念ながら2017年10月現在20XXTEの最新版にはそういった機能は入っていないみたいです。

ピチュー使いの事例

・スマブラのROMを改造し、強キャラになったピチューを使った
こういったチート行為がまた起こる可能性は低いが、再発防止策が必要
・ピチュー使いへの処分は2年間の地区大会への出場停止(ソース不明)


まとめ
今回はDX界の事例の中でも、比較的話題になったものをご紹介しましたが、(信憑性の低い)疑惑があるだけのプレイヤーなら、今回の記事で紹介できないほどの数になると思われます。

ピーチ使いの中堅プレイヤーMacDや、「5神」の1人・Mang0でさえも、そういった疑惑がありました。(どちらも信憑性が低く、本人や関係者によって否定されています)

幸い日本のスマブラ界でこういった話を聞いたことはありませんが、これから競技人口が増えていきeスポーツとして注目されるようになった場合、いずれ日本のスマブラ界も直面する問題なのではないかと考え、今回の記事を作成しました。

次回の更新予定日は不明ですが、Faster Melee 5.8が出る頃にでも、UCFと振り向きダッシュの問題についての記事を書こうと思っています。

ソース(記事内にないもの)
Hyuga
https://www.ssbwiki.com/Smasher:Hyuga
https://www.reddit.com/r/smashbros/comments/78fwyq/hyuga_will_no_longer_be_attending_ccc2/
https://www.reddit.com/r/smashbros/comments/780gjk/hyuga_still_suspended_indefinitely_from_all_2gg/

Ryan Ford & Inui

https://www.ssbwiki.com/Smasher:Ryan_Ford
https://www.ssbwiki.com/Smasher:Inui
http://lacrossetribune.com/news/local/crime-and-courts/la-crosse-man-arrested-after-samurai-sword-attack-in-tent/article_e03c7e32-d208-5cf2-8327-c88fb281608d.html

DaShizWiz

https://compete.kotaku.com/melee-players-criminal-history-divides-smash-bros-comm-1797239305
http://www.dbltap.com/posts/5170162-dashizwiz-responds-to-mikehaze-and-others-regarding-his-criminal-record
https://medium.com/smash-verity/return-of-old-school-melee-player-bronson-dashizwiz-layton-sparks-concern-and-conversation-b3cce2bf95a9
https://www.reddit.com/r/SubredditDrama/comments/2vdonw/leffen_a_pro_melee_player_refuses_to_play/?st=j98kno75&sh=a9bb512a

Mafia

https://www.ssbwiki.com/Smasher:Mafia

ピチュー使い

https://www.reddit.com/r/SSBM/comments/4qz0d2/pichu_main_caught_tampering_with_melee_to_get/?st=j98an0gy&sh=6f48fb4b

https://www.reddit.com/r/smashbros/comments/4qyq9x/on_melee_modifications_and_cheating_a_warning/?st=j989x3pt&sh=43399830

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